小額課金考

今年はiPhone、MySpace、Facebookがいよいよマイクロペイメント・サービスの提供へ

サードパーティーの支払いシステムを利用することで問題の解決を図ろうとするFacebookアプリも登場している。Spare Change(PayPalを利用)やSocialGold、Zongその他のサービスがユーザーの資金をシステムに受け入れており、Mob Warsのようなアプリはマイクロペイメントを通じて月$1M(100万ドル)もの売り上げを得ている。

プラットフォームの運営者は皆、システム内で直接マイクロペインメントを可能すると約束してきた。Facebookは昨年9月までにそういったシステムを提供すると約束したが、結局約束は守られず、そのプロジェクト自体、今や優先順位が高くないようだ。MySpaceも2008年11月にマイクロペイメントのサポート計画を発表した。しかし実現の時期に関しては明言を避けている。

私の見るところ、MySpaceFacebookも直接支払のためのプラットフォームを実現する気はない。支払いシステムにはあまりにも厄介な問題が山積している―詐欺、引き落とし不能、セキュリティー等々の問題に対処するには膨大なコストがかかる。リスクもとてつもなく大きい。PayPalが築いたようなインフラを一から作り直すのはコストパフォーマンスがよい仕事ではない。

MySpaceFacebookもマイクロペイメントに関してはおそらく実績あるサービスを提供しているサードパーティーと提携することになるだろう。これは今までにも例がある。(FacebookMySpaceは案内広告を、たとえばOodleに委託している)。いちいち自分でシステムを構築する手間をかけずとも、収入の一部を吸い上げられればそれでよいわけだ。

しかしAppleは間違いなく自前でシステムを作ってくると思う。Appleはすでに基本的な支払いプラットフォームをiTunesで確立している。これにマイクロペイメント機能を付加するのはさほどの手間ではあるまい。

いやぁ、お勉強になるねぇ。
結局のところ、小額課金は売上もままならない割にはリスクも大きく儲からないという結論だと思う。
しかしながら小額課金は今後のネットビジネスにおいて重要な要素のひとつであることは否定できない。
何故ならばコンテンツの対価の低下が止まらない現実として、もしくはオープンソースに代表する"無料"の流通がすでに限界に来ている現状において、小額であれば流通できるが課金の問題で流通できないものしか将来的なビジネスモデルとして余地が見えないわけで。今までは広告収益という企業(出稿者)ぶらさがりの仕組みが、すでに陰りを見せているわけだから、あとはどうやってお金を集めるのだろう。
全世界のネットユーザーから1円を集める方法を実現したとされるgoogleは広告収益の支柱を外すことはできない。ゆえに携帯というプラットフォームに手を出すことで金の流れる水道管を作りたかったと思う。だがそれですべては解決しまい。フェリカがもう少しネットとの融合に役立てば良いのだが、それも現状では無理だろう。
すると残るは・・・ウェブマネーみたいなのも上手く行けてないしねぇ。やはりiTunesか?