あえてネクラなWeb、ネアカなWebと呼んでみるWeb2.0

[年始特集:2007]Web 3.0の時代は近い?--ウェブの過去と現在をたどる - CNET Japan

新年早々にこんな記事である。
そこで一言云ってみる。

やい!オライリー
おみゃあさんがWeb2.0とか云うてまうで、Webにバージョンを振りたがるアホが出てしもうたやろーがー。
まったくたいがいにしとけよー。
「やぁやぁ我こそはWeb3.0なり〜」って”たわけ”が増えてかんわー。

まぁタイトルだけ読んでみてるとオイオイな感じなのでツッコんでみた(最近ちょっと過敏気味かなぁ)
参照元の本文にもあるけど「クライアントからアプリケーションをWeb 2.0に対応させてくれと求められた」なんてのも、そろそろ笑えなくなってきた。
まったく、Web2.5とかWeb3.0とは変な言葉を作んなよ。
あと「あそこはWeb1.5でイマイチだね」とかいうヤツにもうんざりね。
「うちはWeb2.0が入っています」って、コショーじゃないだろうに。

なので、あえて云ってみる。
Web2.0はネアカなWebである」

解説です。
「ネアカ」とはすっかり忘れられた言葉なわけで、人口比率から見て何%が知っているのかね。かれこれ20年以上(?)前に流行った言葉の「ネクラ」と「ネアカ」。当時はネガとポジのように、人を「ネクラ=内向的、陰気、社交的でない・・・」とかの悪いイメージで、「ネアカ=外向的、陽気、社交的・・・」と人の性格を2つに分類することが流行ったわけね。「ひょうきん」とか「ほとんど病気」とか誰か覚えてるかい?これは「ネアカ」を表す、当時の褒め言葉(!)
ネクラはオタクと密接な言葉だけど、今ではオタクでイイじゃんという風潮にもなって悪いイメージではなくなった。本当かどうかは知らないけど、政治家がオタク漫画を読んでいるなんて公言できる時代は誰も想像しない。
逆にネアカはバブル景気の影響で、国民すべてがネアカじゃないとダメじゃんという風潮だったのだけど、バブル崩壊とともに底の浅さが露呈してしまった。ネアカはバカの象徴になり果てた。
まさに「ネクラ=駄目」「ネアカ=良い」が逆転現象なわけだ。

さて、そこでWeb2.0に絡めてみる。
Web2.0に定義がなく、大きく「最近変わりはじめたWebの動きの特徴」を大きく括った総称であることは疑っていない。またコンセプトと言い換えても良いだろう。
Web2.0以前とは、ネットでの情報発信という単一の目的を追求したサイトが主流であった。個人の情報、企業の情報、コミュニケーションの活性化をコンセプトにしながらもクローズ型で情報の拡散を起こさないサイトやストレートすぎる収益構造を持つサイトなど、どれもオタクの考えたオタクらしいシステム構造に思う。これは「ネクラ」じゃないと作れない。
しかしWeb2.0という名コピーのもと、Web2.0に分類されたサービスの多くは、オープンソースなりブログスフィアなり情報や創造の拡散により「どっかと繋がってないとダメじゃん」的な捉えられ方に思う。「Web 2.0の重要な特色であるコラボレーションとコミュニティー」とあるように、Web2.0至上主義者にはモニター越しの友愛と人徳がないといけないようだ。まさに「ネアカ」な存在であり、「ネクラ=オタク」と対になるわけだ。

さて最近の困ったことは「Web1.0からWeb2.0に進化した」と単純に思い込む「思考の落とし穴」の存在だ。また「Web2.0時代はWeb3.0に進化すべき」的な真直ぐすぎる人の多さだ。
けっしてWebの使われた方が変わることは悪くない。しかしそれは進化と捉えるとおかしくなる。
Web2.0という言葉からインスパイアされたサイトやサービスはいっぱいあるし、多くが成功している。
問題は「進化したからWeb1.0は時代遅れ」的な短絡でおめでたいヨタが生まれる「進化」という認識のあやうさだ
「進化」と認識すると、Web1.0絶滅危惧種かい?違うよね?

そこであえて定義する。
Web2.0とは「進化」ではない。Web2.0で定義されたものは「ネアカ」な存在であり、その価値は将来に続くものではない。
Web1.0と単純に定義されたものは「ネクラ」な存在であり、けっして悪いものではないこと。
そのうち「ネクラ」がカッコイイ時代もありえること。
つまり「ネアカ」と「ネクラ」には良さも悪さもあると認識すべきということ。

ただね、今はWeb2.0がモテるのよ。ちょうどバブル時代に「ネアカ」がもてはやされたように。「ネクラ」が悪いと思われていたころのようにね。