名古屋から見てスタバって

なぜスタバはダメになったのか - だから問題はコミュニケーションにあるんだよ by com-lab

つまり今のスタバに人気がないのは、価値/対価のバランスが崩れていることが原因だろう。言い換えれば人気が落ちて当たり前なのだ。おそらくはマクドナルドのコーヒーが美味しくなった(とアメリカでは言われている。個人的にはそうは思わないけれど)ことも、スタバのコストパフォーマンスを低く感じさせる要因となっているかもしれない。

ということはスタバが今やるべきは不採算店を閉めることではなく、もう一度スタバがスタバであった価値の原点を復活させるか、STP(セグメント・ターゲット・ポジショニング)を再設定した上で新しい業態を開発するか。選択肢はこの二つしかないと思う。

他の地方のスタバはよく知らんし、アメリカのスタバはもっと知らん。
名古屋から見たスタバしか知らないのだけど、確かに最近のスタバにはパワーがない。
巨大なショッピングモールに2つも入っているほどのコーヒースタンドなわけだが、人ごみから逃れるためには少々狭すぎる。オープンな店内はおしゃれっぽいけど、キツキツに並んだ安っぽい椅子で紙製のカップですするには少々高めな値段設定。
だったらフードコートで缶ジュースでも同等なわけだ。

昔のスタバはゆったりとした椅子を奪い取ったときに充実感や、当時は珍しかったラテなんかが気分を和らげたものだ。新聞はないけどシャレた音楽を聞きながら時間をつぶす程度には良かったのだよ。聞いたことも無いようなコーヒーの銘柄も強めに仕上げた香りも悪くなかった。
どこで変わってしまったのか?

名古屋にはコメダというコーヒーチェーン店があってだな、ここはお世辞にも旨いわけでもない味にサイドメニューもお高めで、けっして好んで通う店でもない。
しかしどこの店も満杯(にみえる)で、常に人が入れ替わっている。朝には行列だ。
たぶんスタンスが違う。
コメダはファミレスと喫茶店の中間に位置すると思う。
適度に広い駐車場に、どの店もまったく同じ赤くてスプリングのゆるめなソファー。一切背を引くことはできないのだが、そのイスだけしか使わない。木製のテーブルイスやスタンドなどはまったくない。だが絶妙に対面と離れた距離感が、ふんぞりかえってもお互いの会話が途切れることはない。タバコもやり放題、新聞や雑誌もふんだんだ。
車で来て会話する。またはふんぞり返って休む。井戸端会議や営業マン同士の打ち合わせ、時間つぶしの休憩など。ただそれだけがコーヒーショップに求めるものだったのかもしれない。

スタバに同じものを求めるべきではないだろう。
コンセプトも違うし、スタバの魅力は持ち帰りができることだ。
しかしマクドナルドと戦うには少々高く、ファミレスと戦うにも安らぎがない。
味で勝負するにも、ただ香りが強いだけでは飽きがくる。
あらためて考えると、これから厳しいのかもしれないね。