ティムさんに訊いてみた

ひろゆきがティム・オライリーに直接きいた、「Web2.0ってなんだったの?」:ニュース - CNET Japan

あれ?なんかまともな話になってるじゃないの。
それが最初の印象。


日本発のおさわがせネット文化圏2ちゃんねる管理人と、Webビジネス界のおさわがせ人物のティム・オライリーが対談をした。
ある意味、おさわがせの双璧(w
2ちゃんねるはさておき、ティム・オライリーはたぶんネットに関わる最高レベルの流行語(あえてそう呼んでみる)である『Web2.0』という言葉を提唱したアメリカの本屋の親父である。

かねてより『Web2.0』はティムの流行らせたかっこいい”コピー”だと思っている。
なぜかというと、ティムがWeb2.0というよく分からない言葉を広めたことで、数多くの人々や企業が流行熱のようにWeb2.0提唱シンドロームにかかってしまった。多くの誰かがWeb2.0を自分流に解釈し、またWeb2.0という言葉にのっかったビジネスを展開していく。しかしWeb2.0という旗を掲げつつも、誰も正解にたどり着かない。
いや、正解はgoogleだったのだ・・・誰もgoogleにはなれないじゃん。

すると空洞の言葉が一人歩きする状況は、いっときのネットバブルそのものであり、結果Web2.0バブルを生み出しただけである。つまりティムは才能のあるコピーライターじゃないのか?と。

さすが本屋だねぇ。

なんとなく感じる部分はあった。
今年のはじめごろだったっけ?某雑誌のインタビューでティムはWeb2.0を語る際に「我々のプロジェクト」と呼んでいた。
もちろん日本語訳なのでニアンスは違うかもしれない。
ただ、プロジェクトと呼ぶからには、一般に語られたWeb2.0というイノベーションとは違う恣意的なものの予感があった。
Web2.0バブルは、彼らの思惑によって生まれた?
いや、違う。
彼らが実行したプロジェクトは、ネットに関わるみんなをアッと気づかせることじゃないか?

他にも彼はヒントを出している。
「Web3.0と言ってる奴は信用するな」


今回の対談で興味深いのは、ティム自身がWeb2.0というキーワードに対する若干の失望めいた感覚が読み取れることだ。

「(Web2.0は)ばからしい名前だよ。ウェブの新しいバージョンだと思っている人が多いし、そういう意味で使ったんじゃないのに。この言葉を使ったのは、みんな、ドットコムバブルの後、ウェブが終わったと思っていたからだ。でもウェブは戻ってきた。「Return of the Web」なんだ。」

実のところティムはWeb2.0でネットのバージョンを上げたかったわけではなかったこと。
本当に理解されないままWeb2.0は一人歩きをやめない。
ちょっと後付けの言い訳っぽいけど、彼の意図はやはり違うところにある。
結果次のバブルを生み出したバズワードになったWeb2.0とは「もう一回世界を見渡そう!」という提唱だったに過ぎない。


つまり(これは持論だけど)Web2.0とは・・・。

広く静かなネットという混沌の海の、海辺でバシャバシャやってるビジネスは終わったよ。
ネットという海いは、高い波が来ている。あれがWeb2.0だ。

・・・いや、波はすべて同じ海水なんだけどね。


結局のところ、Webは今も昔も変わりがない。
ドットコムバブルが終わったと言われても、普通にWebは生活の一部だし、これからもそうだろう。
Web2.0を唱えるWeb2.0教(教祖不在(w))の信者たちは、これからの未来をさんざん描いたけれど。
実はWeb2.0は今ある”なにか”にすぎないのだから。


ところで、Web2.0を聞いた頃に「2ちゃんねるWeb2.0でない理由は何?」と考えたことがある。
う〜〜〜む。
自らWeb2.0企業と名乗ってないから?
また、誰もそう思わないから?

そこにWeb2.0という言葉の仕掛けが見える。
その点でも、興味深い対談だね。