所詮はバラエティの役割でしかない出来事

10月14日のテレビ放映に関しましてご報告とお詫び:メディアファージ事業部 ブログ

クリプトン・フューチャー・メディア株式会社という会社の「初音ミク」という商品は、とても理解しやすいソフトながら、とても理解されにくいカルチャーを生み出したと思う。

初音ミク」は女性ボーカルの合成音声で歌を歌わせることができ、楽曲のCGMを実現した画期的な商品だ。
好きな歌を自由に歌ってもらえ、自分では歌いたくない(または歌えない)ユーザーからすると刺激的なソフトである。
当然のように共感できるユーザーも多く、ネット文化との親和性も高い。ユーザーが積極的に使いたくなる土壌にマッチした発想がすばらしい。
だって、誰が可愛いアイドル声で歌うソフトなんて使いたがらないと思う?ニーズは絶対あるよね。誰でも理解できる。ネットを日常的に使っているユーザならね。あえてオタクとは言いたくないけど。


しかし週末の昼のバラエティ番組で取り上げられるからには、「理解できるユーザー」よりも「理解できない人たち」がほぼ中心と思われる視聴者に「理解できる内容」に変換されてしまう危険性は十分想像できたであろう。
ただ、「理解できる内容」への変換があまりにも稚拙だったとしか言えなかったことが不幸なだけだ。
実際の放送の偶然見ていたけど、内容はそれほどオタクを卑下したものでもなかったと思う。「理解できない人たち」が飲み込みやすいバラエティ的な解釈が、あの程度なんだぁ〜と思っただけだ。
意図があったにせよ、なかったかもしれないけど「キモくて女っ気のないオタクが、アイドル声のヴァーチャルなボーカルでバンドするキモオタ御用達ソフト」と感じ取れたのは、マスコミ側の想像力の無さがあらためて露呈したわけだけで「理解できるユーザー」には何ら影響は与えない。
ちょっと取り上げられるには場違いだったのかもしれないね。所詮その程度のバラエティ番組なのだ。

ただ、そのバラエティ番組の制作者は一度でも「初音ミク」といキーワードで検索をしたのだろうか?
もっと楽しげな切り口もあっただろうに。