著作権者の関係者パラダイス

音楽配信メモ 「ダウンロード違法化/iPodの補償金対象化」がほぼ決定した件と、ITmediaの記事で抜粋されている発言についての補足

なるほど、文化審議会私的録音録画小委員会においてこんあことが起ころうとしていたわけね。
メディアに保証金をかけることに以前より疑問を感じているのだが、果たして著作権者(として対象とされるコンテンツ価値の薄い人たちも含めて)に公平にその保証を分配する方法はどうなっているのだろう?無数のメディア(保存されるものも、一時的に使用して捨てられるものも含めて)に、どれだけの著作権に抵触する情報が書き込まれて、かつどれだけの著作権者が本来得たであろう利益を侵害されたであろうことを、誰がどうやって証明するのだか。
しかし著作権30条の改正では、本来の問題点とはまったくトンチンカンな対策にしか思えないし、それを主張する連中の頭の中を覗いてみたいと思う。
著作権30条の改正に伴い、ネット経由の「録音・録画」のダウンロードを違法とする。つまり今までは無実だったユーザーを犯罪者に陥れるちょっと怖い法律なわけで、いかに罰則がないからといっても、やはり法的な縛りであること問題がある。
ネットの世界では、日本国内だけの問題と海外での問題の両面を見なくてはいけない。日本では違法でも海外では合法なことはたくさんあるし、それは文化的な成熟の問題ではなく、文化の違いなわけだから致し方ない。日本の一方的な「著作権はこうあるべき」な”べき”論は、まったく意味をなさないものだ。
議論は日本のコンテンツ文化を守るため(と称しているだけな気もするが)著作権者の利益保護が前提としているが、逆に海外における文化的に日本よりすすんだコンテンツに対してどうするつもりなのか。「日本人だけ守ればいいじゃん、海外にコンテンツは別にダウンロードされても知らねぇよ」なのか「日本と同様に海外のコンテンツをダウンロードことも、当然著作権侵害なのだから同等に扱うのは当たり前」とするのか。もっとも「海外のコンテンツも日本国内のしかるべき団体が保護することが責務」なんて、トンでも主張が始まったら怖いけど(そのまえに呆れる)
それに海外からのダウンロードや海外経由のダウンロードなど、すべて親告罪で取り締まる気か?ある点では個人情報保護に繋がるぞ。
ともあれ、データのダウンロードに違法性を持たせる議論は著作権保護が目的としては全然未熟な方法だと思うし、またその法律によって具体的な効果や対策の仕方がまったく見えないのでは”著作権者に関係する既得権”保護法にしか思えない。
そう。関係団体(著作権ゴロとか呼ばれたりするところなど)の内情をガラス張りにしてこそ、その先の議論があるわけで。
「知らない誰かがおいしい思いをしていて不公平」と思われている現状では、まったく国民の賛同は得られないと思うよ。
でも、ネガティブキャンペーンをやるんだろうなぁ。「違法ダウンロードは犯罪です!」とかねぇ。
その前に「違法ダウンロードという概念を押し付けたのは私たちです」と堂々と名乗って欲しい。
”適法”マークなんて、人を馬鹿にしているようなことはやめて。